エリート上司の甘い誘惑
「いたっ」
弾かれた額を手で抑え、パチパチと瞬きをする。
完全に浸ってしまっていた甘い空気から強制的に引き上げられ、見上げる部長の表情は少し意地悪なものに変わっていた。
今、部長、なんて言った?
そいね。
ソイネ?
添い寝。
「そっ……そいっ……」
あわあわと唇が空ぶってまともな言葉が出てこない。
顔の熱が上がって汗が噴き出す私を、部長が苦笑いで急かし始めた。
「そんな顔、俺以外に見せるなよ。鍵はどこだ」
「そんな顔、ってどんな……あ、はい。鍵……」
早く早くと急かされているようで、考えもままならないまま鞄の中から鍵を探す。