エリート上司の甘い誘惑
「別に、大したことは……」
「ふうん。残業してたのか?」
「はい。待ち合わせまで時間があったので、明日の仕事を少し」
「さすがに今日は残業している人間はいなかっただろう」
「そうですね、私と東屋くんだけ……」
しまった。
誘導尋問だった。
ちらりと見上げると、真一文字に唇を結んだ、涼やかな顔。
「な……何もないですよ?」
「わかってる」
と、言いつつやんわりと私の手を取り、あくまでソフトに、私を隅の方の大きな柱の影に誘導する。
「ちょ……ちょ、部長、」
「……」
「隆哉さん! こんなとこで」
「キスだけだ」
「当たり前ですよ!」
それ以上とかあんの?!
何さらっととんでもないこと言うのかこの人は。