エリート上司の甘い誘惑
社員食堂を出て、オフィスの近くのトイレに向かう。
食堂の近くは混んでいて大変だが、ここならそうでもない。
「あ、それ。私も欲しかったやつだ。可愛い」
「いいでしょ、パクトのデザインに惚れて買い換えちゃったよ」
愛用の化粧品や新色のルージュの話をしながら、メイク直しをする。
髪も乱れてないかチェック。
鏡を見れば、可もなく不可もなく、といった極々普通のパーツがそれなりのバランスでそろった顔が映る。
派手すぎず地味すぎず、適度にオシャレが楽しくて、ファッション雑誌や広告を見てはそれなり真似て、綺麗になる努力はしてる。
「最近自分の顔見て、これで良かったなって思うわ」
「なに」
「シンプル過ぎて化粧映えするってやつよね、私」
「あー、いいねそれ」
「いいのかしら」
園田は当然、すっぴんを知ってる。