エリート上司の甘い誘惑
「ちょっと、何、」



急に、と東屋くんを見上げた。
彼は頬を引き攣らせながらも、笑っていた。


笑っていた、けども。
なんか、黒い。



「……アンタさあ」

「はいっ」

「ほいほいそれじゃあ、ってほったらかして帰れるわけないよね?」



唇は笑っていても、彼はわかりやすいくらい怒っていた。
暗い路地裏を背に、笑顔の迫力はすさまじい。


ごごごごご、と効果音すら聞こえてきそうである。



「え、あ、でも」

「何」

「ネカフェくらい、何度も、使ってるし」



あそこのネカフェ、会員証持ってるし。


彼の豹変にびくびくしながらもそう反論したが、そのオーラが静まることはない。
ふー、と何かを諦めたようにため息をつき、言った。



「三択」
< 72 / 217 >

この作品をシェア

pagetop