フェアリーテイルを夢見てる
実際にその値段になった訳ですが。

宿泊する度にその料金を払っているよりも、別のフロアを買い取って自分の物にしてしまった方が長い目で見た場合に断然経済的だろうと万作さんは考えたようです。

そもそも、泊まりたい時に泊まりたい部屋が都合よく空いているとは限らないし、チェックイン、チェックアウトの時間を厳守しなければならないし、不特定多数の方が利用する「借り物」のお部屋ではやはり色々な面で気を使いますし、できる事に限界があります。

到底「気軽にふらっと立ち寄れる」場所にする事はできないのです。

「気力体力は人一倍あるし、イザという時にはすぐに家族と連絡が取れるようにしておくからその点は心配するな。むしろ年だからこそ自由に過ごさせろ。それに誰にも気兼ねせず、好きな時間に出入りして勝手気ままに過ごすには、やはり自分の持ち物でないといかんだろう」と万作さんは力説し、最終的に千一郎さんを始め、身内の方と会社の上層部を納得させたらしいです。

次に、では何階を買い取るか、そしてどういった構造のお部屋にするか、という話し合いになった際に、万作さんは「くつろぐのが目的なのだから、基本的には普通のマンションのような間取りが望ましい。ただ、バストイレ寝室はもちろん例外として、それ以外には極力壁を造らず、だだっ広い開放的な空間にしたい。そしてなるべくなら、より最上階に近いフロアを確保したい」と言いました。
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