クールな次期社長の甘い密約

そして、次に車が止まったのは、田舎者の私でも知っている超有名な高級ホテル。


「あ、ホテルの予約って言ってたのは、ここですか?」

「そう、今夜は二人っきりで過ごそうと思ってね。茉耶ちんに秘密にして驚かせてやろうと思ったのに、まさか倉田の携帯に茉耶ちんが出るとは……想定外だった」

「専務……」


嬉しくて、堪らなく嬉しくて、照れ笑いを浮かべる専務の腕をギュッと胸に抱き締める。


倉田さんにお礼を言って車を降りると二人のドアマンが絶妙なタイミングで観音開きのドアを開けてくれた。もうそれだけで田舎者の私は完全に舞い上がってしまったんだ。


そんな調子だから普通に歩く事が出来ず、手と足が一緒に出てしまい制御不能。足が縺れて豪快にブチこけてしまった。


「す、すみません……」


エスコートしてくれていた専務に恥を掻かせてしまったと焦り平謝りしたけど、彼は「茉耶ちんらしくて面白い」とケラケラ笑っている。


自己嫌悪に陥りながら辿り着いた部屋は高層階にあるロイヤルスイート。


ブラウンを基調にした落ち着いた雰囲気の室内にはキングサイズのベットが鎮座し、大きな窓からは新宿の高層ビル群が一望出来る。


専務のマンションも夜景が綺麗だけど、ここも絶景だ。


「はぁ~っ、素敵……」


だだ下がりだったテンションが一気に急上昇。見惚れてため息を漏らすと専務が後ろから私の肩を抱き、頬をすり寄せてくる。


「さっきの話しの続きだが、木村のホテルの部屋がダブルブッキングしたってのは本当の事だ」

「えっ?」

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