クールな次期社長の甘い密約

「笑っているだけです」

「はぁ? こんなに苦しんでいるのにか?」

「はい、普段笑わない人が急に笑ったから死ぬかもしれませんね」

「し、死ぬ?」


私の挑発的な言葉を聞きいたからか、やっと体を起こした倉田さんが呼吸を整え涙を拭っている。


「残念なから生きてますよ。でも、本当に死ぬかと思いました」

「フン、笑い死になんてするワケないじゃない……」

「はぁ? 何かいいましたか?」

「いえ、何も言ってません」


事情が分からず不思議そうな顔をしていた専務が、何があったのか説明しろと言うけど、私の口からそんな事言えない。


他の話題で誤魔化そうとしたのに、倉田さんが「専務が聞いたら卒倒しますよ」なんて余計な事を言ってくれるから、専務は益々興味津々。とうとう権力行使に出た。


「いいから言え! これは、専務命令だ!」


――……てなワケで、専務の知るところになり、今度は専務が大爆笑。のた打ち回ってヒーヒー言ってる。


「倉田が俺を愛してるだと? さすが茉耶ちんだな。想像力がハンパない」

「……すみません」

「いや、実に愉快だよ。あ、これは、誉め言葉だからな」


そう言った専務が私の肩を抱き、嬌笑しながら甘い言葉を囁く。


「もう倉田に遠慮する必要はないんだから、今夜は泊まっていけ」

「あっ……」


それが何を意味しているのか……鈍感な私でもすぐに分かった。


いよいよだ。今夜、私は専務に抱かれて"大人の女"になるんだ……

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