クールな次期社長の甘い密約
久しぶりに触れた専務の唇は以前よりも熱っぽくて、その熱で私の唇が溶けてしまいそうだった。
まるで何かに憑りつかれたみたいに夢中でキスを交わす私達の体は、ソファーの背もたれを滑り自然に重なっていく。
不規則に漏れる吐息と高鳴る鼓動。そして、羞恥で硬直する体。覚悟を決めてもやっぱり怖い。でも彼の丁重な愛撫が私の緊張を和らげ、優しく甘い声が体の強張りを解いていく。
「ベットに行くか?」
「うぅん、ここで……いい。ただ……」
「ただ……何?」
「電気を……その……暗くして」
ソファーの下に脱ぎ捨てられた服に目をやり小声で訴える。さすがに明るい部屋で抱かれるのは抵抗があった。
そして、その時がきた――ロストバージン……
間接照明に照らされ専務の逞しい裸体が浮かび上がる。私を見下ろす彼の目は飢えた獣の様に険しく鋭い。
怖い……
そう思った次の瞬間、体を引き裂く様な強烈な痛みを下腹部に感じ、思わず身を捩る。
寒いワケじゃないのに体が震え、専務の「力を抜いて」という言葉も耳に入らない。彼と一つになれたという悦びを感じる余裕などなく、歯を食いしばり押し寄せてくる痛みに必死で耐えていた。
これが"大人の女"になるって事なの?
全てが終わると嬉しいからなのか、それとも耐え難い痛みのせいなのか……理由の分からない涙が一筋、頬を伝う。
「大丈夫か?」
汗で濡れて額に張り付いている前髪を手のひらですくい、心配そうな顔をする専務を見た瞬間、抑えていた全ての感情が溢れ出し、彼の手を握り号泣していた。