クールな次期社長の甘い密約

「反論はしないのですか?」


勝ち誇った様な顔で私を見下ろす倉田さんにイラッとして視線を逸らすと、まるで挑発するみたいに顔を近づけてくる。その距離――僅か数センチ。


な、何? 倉田さん、どういうつもり?


思わず仰け反り間近に迫った彼の顔をマジマジと見つめた。


「……それで、専務とはセックスできました?」

「えっ……」

「まぁ、聞くまでもないですね。その顔を見れば分かります。で、どうでした?」

「どうって……」

「初めて男性に抱かれた感想ですよ」


倉田さんは当然の様に聞くけど、それって凄く失礼な質問だよね。ホント、倉田さんってデリカシーの欠片もない人だ。


「どうして倉田さんに報告しなきゃいけないんですか?」


無表情の顔を睨み付け、鼻先まで迫った胸を力一杯押すが、私の力ではビクともしない。それでも倉田さんから逃れようと必死で硬い胸を押していると彼がいきなり覆い被さってきた。


「な、何するんですか?」


抵抗する間もなく完全に押さえ付けられ、身動きが取れない。


「シッ……静かに。専務が起きてきて、こんなところ見られたら困るでしょ?」


その一言で全身に鳥肌が立ち、背中に冷たいモノが走る。


「べ、別に私は何も困りません。倉田さんに無理やり抱き締められたって言えば済む事です。困るのは倉田さんの方でしょ?」


負けてなるものかと強がってみせるが「そんな格好をしているアナタの言葉を信じますかね?」と言われ、ハッとして目を見開く。


「ワイシャツの下は何も付けてない。裸でしょ? アナタは無防備過ぎる」

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