クールな次期社長の甘い密約

あ……そうだった。


恥ずかしいというのもあったけど、このまま押し倒されたらどうしょうという恐怖の方が大きくて心臓が有り得ないくらい大きく高鳴る。が、急に彼の腕の力が抜け、あっさり解放された。


「……冗談ですよ」

「へっ?」

「大沢さんを見ていたら、ちょっとからかいたくなっただけです。で、セックスの感想は?」


私の横に座り、悪びれる様子もなく平然とそう言う倉田さんに唖然とする。


今のが冗談? いくら酔っているからって酷くない?


沸々と怒りが込み上げてきたのだけど、それと同時に倉田さんはなぜ、そんなに私と専務のエッチが気になるんだろうって疑問に思った。


あ……もしかして、私は彼に騙されていたんじゃ……車の中で専務の事を愛しているのかと聞いた時は大爆笑して否定してたけど、あれは自分の本当の気持ちを隠す為のお芝居だったのかも……


だから専務に抱かれた私の事が気になって仕方ないのかもしれない。なるほど、そういう事か。


「……倉田さん、嫉妬しているんですか?」

「私が嫉妬? 誰に?」

「専務に抱かれた私にです」


少しの沈黙の後、倉田さんが横目で私を眺めシラッとした顔で言う。


「まだ、そんなくだらない事言っているんですか?」

「くだらない事じゃありません。私は人それぞれ色んな愛の形があっていいと思います。だから、倉田さんの本心を聞かせて下さい」

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