クールな次期社長の甘い密約
その時は、両親も私の授業料くらいは払えると思っていたから、おばあちゃんの意見に従う事にした。すると翌年、予想外の出費があった。トラクターと精米機が相次いで壊れ、農協と信用金庫から借り入れをする事になってしまったんだ。
そして、悪い事は続き、その年の夏の異常気象で収穫前の米や野菜が大打撃を受けた。その年はなんとか乗り切れたけど、二年後の夏、今度は大型台風が直撃してハウスが飛ばされてまた出費。
そこに私の授業料の支払いが重なり、また信用金庫から借り入れをする。そんな事の繰り返しで借金は膨らみ、とうとう三千万を超えてしまった。
なんとか毎月の支払はしてきたんだけど、それも苦しくなり、おばあちゃんの幼馴染の息子が信用金庫の支店長をしていたのでその人に頼み込み、ローンの支払い期間を延ばしてもらって、取りあえず利子だけは払い続けていた。
でも……その信用金庫の支店長とお母さんが喧嘩してしまって、今まで待ってくれていた分も含め、借入金を全て返済するよう迫ってきた。
「農協に相談したんだけど、既に目一杯借りてるから追加の融資は出来ないって断られてね……」
「そんな……」
「支払いの期日が今月末だから、もうどうしようもなくて……」
「それで、疎遠だった東京の実家にお金を借りに来たの?」
「まぁ、そんなとこ。私のせいでこんな事になったから、なんとかしなくちゃって思って実家を頼ったのよ」