クールな次期社長の甘い密約
「お、おおぉぉ……お見合い? 私が?」
この写真の男性は、美津子伯母さんの掛かり付けのお医者さんの息子で彼も医者らしい。美津子伯母さんが受診した時に息子の嫁を探していると聞き、私の話しをしたら一度会いたいと言われたそうだ。
「美津子義姉さんが言うには、ウチに借金があるってのも了解済だから、この縁談が上手くいけば、借金を肩代わりしてくれるんじゃないかって……」
「うそ……でしょ?」
「この話しを聞いた時、お父さんとおばちゃんとで家族会議を開いたの。でね、茉耶が自力で結婚相手を見つけるなんて不可能だって結論が出たのよ。それなら、お見合いするものいいんじゃないかって……
まぁ、その流れで借金を肩代わりしてくれたら嬉しいな~的な意見も出たんだけどね」
それって、私の為だと言いつつ、実は私を医者と結婚させて借金をチャラにしようと企んでるって事じゃないの? なんだかモヤモヤして複雑な心境だ。
「東京の実家に断られたら茉耶にお見合いの話しをしようと思ってたんだけど、茉耶にはイケメンの彼氏が居るって分かったし、この話しはもういいよ……」
「あ、じゃあ、借金はどうするの? 今月末には払わなきゃいけないんでしょ?」
「まぁね、その時は覚悟決めるから……茉耶は何も心配しなくていいんだよ」
母親の言葉が妙に心に引っ掛かり、その覚悟の意味を聞いてみるが、母親は笑うだけで何も答えてはくれなかった。それが余計に私を不安にさせる。