クールな次期社長の甘い密約
――翌日の昼休み……
麗美さんからランチのお誘いがあったので社食で待ち合わせをし、専務と婚約した事とそこに至るまでの経緯を説明した。
麗美さんは自分の事の様に喜んでくれて、結婚式では友人代表でスピーチさせて欲しいと気の早い事を言っている。彼女の気持ちは凄く嬉しくて有り難かった。でも、麗美さんの笑顔を見ているとなんだか気持ちが沈んでいく。
麗美さんは、倉田さんの事どう思っているんだろう……今でも好きなのかな?
何度も勇気を出して聞こうとしたが、なかなか言い出せず、もうすぐ昼休みが終わるって時に、ようやく聞く事が出来た。
「倉田課長? うーん……その事なんだけどね、この前、課長に誘われてウナギ食べに行った事あったでしょ? あの時に、それとなく好きな女性が居るか探りを入れてみたのよね~」
「えっ、そうなんですか? それで、倉田さんはなんて?」
「それがね、ハッキリは言わなかったんだけど、理解不能なトンチンカンな女性が居て、その人と居るとイラつくけど、ありのままの自分で居られる……的な事言ってた」
理解不能のトンチンカンって……間違いなく私の事だよね……
「なんか期待薄って感じだし、倉田課長の事はもういいかな~。もっと若い子にするよ」
「そ、そう……」
麗美さんの気持ちを聞いてホッとしている自分が居た。
倉田さんに"失いたくない"なんて言われ、倉田さんを好きだと公言していた麗美さんに申し訳ないなって思っていた。だから麗美さんの気持ちが気になっていたんだけど……
でも、それだけだろうか?……上手く説明出来ないけど、自分の中にもっと違う感情がある様な気がして……