クールな次期社長の甘い密約

自分がそんな大胆な言葉を口にするとは……想像もしていなかった。


もちろんこれは、専務に対する裏切り行為。私は許されない罪を犯そうとしている。でもその時、おばあちゃんが言っていた言葉を思い出したんだ。


たとえ人の道に外れる事だったとしても、今躊躇すれば私は一生、後悔する。そう思ったから……


「本当にいいんですか? 後で後悔するかもしれませんよ?」


その問い掛けに私は自信を持って答えた。


「後悔しない為に……抱いて下さい」


それが私の本心。嘘偽りのない本当の気持ち――だから、倉田さんが……欲しい。


向かい合った私達はお互いの濡れた頬を両手で包み視線を絡める。それが合図だったかの様に唇が重なり、深く濃厚なキスを交わす。


これが、ずっと欲しかった倉田さんの唇なんだ……


思っていた以上に柔らかくて弾力のある唇は慣れた感じで私の唇を弄ぶ。そうかと思えば、息が止まりそうなくらい激しく貪る様なキスで私を翻弄した。


倉田さんがこんなにキスが上手だったなんて……


溶けてしまいそうなキスが続いた後、私の体はマットの上に倒され、ワイシャツを脱ぎ捨てた彼の胸が肌に触れる。


この時、確信したんだ。私はこうなる事をずっと望んでいたんだと――……


けれどそれは、誰にも歓迎されない想い。周りの人達を不幸にする自分勝手な愛。だって私達は愛し合ってはいけない関係だから……この恋はタブー

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