クールな次期社長の甘い密約

解放された心とまだ彼の余韻が残る体。倉田さんと共有するこの時間と空間が今の私には、何物にも代えがたい大切なモノに思えた。


バスルームから出ると倉田さんは大きなタオルで濡れた体を包んでくれて、そのまま私を鏡の前に座らせドライヤーを手に取る。


髪をすく長い指が頬に触れるたび甘いうづきが電流の様に体を駆け巡り、全身の力が抜けていく。そんな私を鏡越しに見ていた倉田さんがイジワルな笑みを浮かべ、艶っぽい声で言う。


「物欲しげな目をしてますね。終わったばかりなのに、まだ欲しいのですか?」


反論しようとしたけど、そんな妖艶な目で見つめられたら言葉が出てこない。


「分かりやすい人だ。では、ベットに行きますか?」


軽々と抱き上げられた体は、もう一時たりとも倉田さんから離れたくないと言っている様で、彼を求め熱く火照っていた。


――そして、広いベットで再び肌を重ねた私達は、たっぷり時間を掛けて愛し合う。


二度目の情事を終え、弾む彼の胸に顔を埋めるとこれが覚めない夢だったらどんなにいいだろうと思ってしまう。


このまま夢の世界で倉田さんに抱かれていたい……


でもその願いを言葉にする事は出来ない。だからせめて聞かせて欲しい。いつからアナタは私を好きで居てくれたのですか?


「さて……いつからでしょうね。多分、美容院でアナタが美しく変身した姿を見た時から……そんな気がします」

「そんな前から?」

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