クールな次期社長の甘い密約
「しかし、私が大沢さんを好きになる事は許されなかった」
「でも、もっと早く倉田さんの気持ちを知ってたら、私……」
「いえ、アナタは専務が社長なる為に必要な人。ですから大沢さんに自分の気持ちを伝えようなんて、これっぽっちも思っていませんでした……と言いたいところですが、結局、私はアナタを抱いてしまった」
倉田さんがバツが悪そうに苦笑いする。
そして、一番辛かったのは、私が専務に初めて抱かれた日だったと言った。専務が海外出張から帰り、私とホテルに泊まった時は、まだ気持ちのコントロールが出来たけど、あの日はなぜか激しく心が乱れたそうだ。
「好きな女性が他の男に抱かれていると分かっていても何も出来ない自分が情けなくて、久しぶりに浴びるほど酒を飲みました」
「あ、だからあの時、酔っ払っていたんですね」
「恥ずかしい話しです。嫉妬心から専務に抱かれたアナタにキツくあたってしまいました」
寂しそうに笑う倉田さんを見てると堪らなくなり、彼の背中に手をまわし、力の限り抱き締める。
「どうしてそこまでして専務に尽くすのですか? 自分の気持ちを封印してまで専務に尽くさなきゃいけない理由ってなんなのですか?」
「それは……」
彼の顔は見えなかったけど、困惑してるって事は容易に想像出来た。それが分かっていても私は追及を緩めようとは思わなかった。
「ずっと気になっていたんです。お願いします。教えて下さい」