クールな次期社長の甘い密約
麗美さんは、これは玉の輿の大チャンスだと鼻息荒く私の手を握る。
「ちょっ……やめて下さいよ。私、専務と一緒に居るだけで緊張してまともに話せないのに……」
即行で否定はしたが、お昼に見た専務の笑顔を思い出し、胸がキュンとする。
あ、そう言えば……あの時、専務、妙な事を言ってたな。
「ねぇ、麗美さん、社食の前で私がぶっ倒れた時、専務に言われたの『ピンクか……悪くない』って。あれ、どういう意味だと思いますか?」
すると麗美さんは、鉄板の上に残っていた最後のお好み焼きを頬張りながらサラッと言う。
「それ、茉耶ちんのパンツの色の事じゃない?」
「パパパ、パンツ?」
「廊下でひっくり返った時、パンツ丸見えだったし」
「え゛っ……?」
世の中には知らなければ良かったと思える事が多々ある。私にとって、今のが正しくソレだった。
「茉耶ちんったら、二十二歳にもなって、お尻にクマさんのイラストが付いてるパンツ履いてるんだね。可愛いなぁ~」
「れれれ、麗美さん、それ、専務も見たかな?」
「私の居た場所からは見えたけど、専務からはクマさんは見えなかったかもね。でも、パンツはバッチリ見たはずだよ」
「ぐっ……」
胸を触られパンツまで見られた……
茫然自失。恥ずかしくて完全にメンタルをやられた。そんな私に麗美さんが追い打ちを掛ける。
「で、専務に電話、するんでしょ?」