クールな次期社長の甘い密約

羞恥が体を強張らせ、自ら体を動かす事もままならない。にも関わらず、専務はいとも簡単に私のワンピースを脱がせ震える肩に唇を押し当てた。


それだけで意識がどこか遠くへ持っていかれそうになる。必死で気持ちを落ち着かせようとしていたら、専務がとんでもない事を呟いたんだ。


「今日もクマのパンツだったらどうしようかと思ったが……驚いたな。下着は俺の好み……ドストライクだ」

「えっ……専務もクマさん見たんですか?」


麗美さんは専務からは見えなかったって言ってたのに……ショックだ。


「いや、俺が見たのは色だけ。倉田がクマのイラストが付いていたって言ってたんだ。それを聞いた時は萎えたけどな」


なっ、犯人は倉田さんだったのか! ったく余計な事を……彼を可哀想だと思い身を引こうとしたのに。もう同情なんてしてあけないんだから!


ムスッとした私の頬を専務が突っつき、また唇が重なる。でも、今の会話で緊張が程よく解れ、やっと専務の背中に手をまわす事が出来た。


それから専務の優しいリードで徐々に私の恐怖心は薄れていき、気持ちも体も彼を受け入れる準備が整った……と思ったのに――


「いっ……いやっ! やめてー!」


心の底から専務のモノになりたいと願っているのに、いざとなるとやっぱり怖くて彼の体を力一杯、突き飛ばしていた。


「茉耶……」

「ごめんなさい。私、私……本当にごめんなさい」


泣きじゃくり、ただ、ただ、詫びる事しか出来ない。


どうして? 好きな人と一つになるのは自然な事なのに、なぜこんなに怖いの?

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