クールな次期社長の甘い密約

――翌朝


「う~ん……よく寝た~」


目覚めは最高だった。大きな伸びをして辺りを見渡すとベット横の時計が目に入る。


んっ? 九時過ぎ?


寝起きだったからぼんやりした頭で時計を眺めていたんだけど、数秒後、やっと状況を把握して大絶叫。


「ひぇ~遅刻だぁーっ!」


転げ落ちる様にベットから飛び出した直後、ベットルームのドアが開き専務が顔を覗かせた。


「おはよう。やっと起きた?」


しかし、直ぐに専務が意味深な笑みを浮かべ「朝から大胆だな」って口角を上げるので、なんの事かと思ったら、なんと私は素っ裸で仁王立ちしていたんだ。


「ひぃ~っ!」


慌ててベットに戻り、掛け布団を体に巻き付ける。


「何照れてんだ? もう昨夜、全部見てるのに」


いやいや、それは違う。もちろん昨夜、肌を重ね全てを晒したけど、暗かったもの。今はハッキリクッキリ上から下まで全部見られた……


恥ずかしくて布団に包まりミノ虫状態。すると専務が私の横に腰を下ろし、不思議そうに聞いてくる。


「で、遅刻って、なんか予定あったの?」

「あぁ……会社に行かないと……あれ? 専務も寝坊したんですか?」

「いや、俺はいつも通り六時に起きたが、茉耶ちんは土曜日なのに会社に行くのか?」

「ど……ようび?」


そうだ。今日は土曜日だったんだ……


安心して一気に脱力し、軽く放心状態。そんな間の抜けた顔をしていた私に、彼が笑いを堪えながら"おはようのキス"をしてくれた。

< 82 / 366 >

この作品をシェア

pagetop