溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「臨時休業なの」


ふふふと笑いながら涼子さんが答える。


「これからライブがあってね」


なんでも、昔から大好きなアーティストなんだそうだ。
とても五十代には見えない。
嬉しさを抑えきれない様子で今にも飛び跳ねそうだ。


「舞ちゃんも一緒だから、ナオミさんのことをあんまりいじめないようにお願いしておくわ」


京介さんのお母様も?
涼子さんのように、はしゃいでライブに行くようにはとても思えない。

あまりにも意外なことに目を瞬かせていると、涼子さんは「舞ちゃんの方が熱狂的なファンなのよ」と教えてくれた。

普段はなかなか行けない京介さんのお母様も、今日はたまたま一緒に行けることになったそうだ。

京介さんのお母様が涼子さんを羨ましく思うのが、ちょっとわかった気がする。
これは私の勝手な想像に過ぎないが、彼のお母様は自分の好きなことをいろいろと諦めてきた人生だったのかもしれない。
それが芹川家に嫁ぐことから始まったのか。
生まれながらにしてなのか。

ともかく、そういうことをひっくるめて、あの威圧感が完成したように思えた。

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