溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
声色に刺々しさを感じる。
心臓がドクンと音を立てた。
なにも答えられずにいると、呆れかえったような大きなため息が聞こえてきた。
「……申し訳ありません」
それしか言えない。
テーブルに頭をこすりつけるほど下げる。
「名前も素性も偽って京介に近づくなんて、いったいどういうおつもりなのかしら。しかも、うちの企画部に所属しているとはね」
私に対する嫌悪をひしひしと感じた。
「調べさせて正解よ」
対面したときに、私からなにかを察知したのかもしれない。
探偵でも雇ったようだ。
「京介をたぶらかそうったって、そうはいきません。息子の前から姿を消しなさい」
さっきとは比べものにならないほど強い口調だった。
たぶらかそうと思ったわけじゃなくとも、言い訳はできない。
嘘を吐いていたことは事実だから。
ありのままの上川美緒奈だったら違っていたのかもしれない。
――いや、そもそもそれでは相手にすらしてもらえなかっただろう。