溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
『開けてくださいませんか』
一本調子で淡々と言葉を吐く。
パニックだった。
私になにが起きているのか、わからなかった。
『上川美緒奈さんのお宅ですよね?』
私の本当の名前まで突き止めている。
もう観念するしかないようだった。
鍵を外してドアを開ける。
そこには、この前会ったときと変わらぬ“ラスボス感”のオーラを発した京介さんのお母様が立っていた。
ひと目見て、それ以上耐えられずに深く俯く。
なにを言われるんだろうという恐怖しかなかった。
「ちょっと失礼するわね」
京介さんのお母様はひと言断り、躊躇いもなく部屋の中に上り込んだ。
そのあとを追い、テーブルに残っていた皿を慌てて片づける。
お母様はそこに埃でもあるかのようにカーペットを手で払い正座した。
その前におずおずと私も座る。
矢のように刺さる視線を感じるせいで、顔を上げられない。
たとえようのない恐ろしさだった。
「私がなにをしにここへ来たのかは、もうおわかりよね?」