溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

瑞々しい生花や調度品の数々に目を奪われながら進むと、彼は一番奥の扉の前で立ち止まった。


「どうぞ」


京介さんに言われ、中に入る。
自動で電気が点いたものだから、密かにびっくりしてしまった。

私はセレブ。
こういう部屋には慣れている。
驚いてはいけない。
そう言い聞かせながら、京介さんにエスコートされて長い廊下を進む。

ところが、ガラス製の二枚扉の向こうに部屋が現れたとき、自然に「わぁ……」という声が漏れてしまった。
咄嗟に口元を手で押さえる。
京介さんを横目で盗み見ると、特に気にする様子は見えなかった。

天井から床までの大きな窓の向こうは、夜景が雨で白く煙っている。
ベージュ系の落ち着いた色合いの部屋は、とにかく広い。
左隅には階段があり、二階もあるようだ。
私の部屋とはとうてい比べようもない。
絶対に招けるはずがないのだ。


「話ってどんなこと?」


雰囲気に飲み込まれて、言いそびれてしまうところだった。

彼に向き合い目線を上げる。
急激に上昇する緊張感。
目は見られなくて、喉元あたりで留めた。

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