溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
京介さんは少し怒ったような様子で私の手を取り、助手席のドアを開けた。
ほんの数時間前にそうしたように、私をそこに押し込める。
「京介さん?」
運転席に乗り込んだ彼は私にシートベルトをかけ、車を発進させた。
「どこに行くんですか?」
「ナオミの部屋がどうしてもダメなら、俺の部屋で話そう」
断ることを許さない強い眼差しだった。
車が走り出してしまえば、どうすることもできない。
いつになく強行に出る京介さんに戸惑いながら、大人しくシートに背中をもたれた。
車が吸い込まれるようにして入って行ったのは、高層マンションと思われる建物の地下だった。
私の目に入るのは、どれもこれも高級車。
船上パーティーのとき同様、庶民の私には壮大な光景だった。
車から降りてエレベーターへと乗り込む。
パネルには三十階までが表示されていた。
私が自分の住むマンションだと偽った建物より、ずっと高い。
点灯しているのは二十八階。
そこに京介さんの部屋があるみたいだ。
茶色い絨毯が敷かれた通路は、そこだけで部屋として使えそうなくらい広く、ル・シェルブルの高層フロアにも引けをとらない豪華さだった。