溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
◇◇◇
井森さんのアパートに招かれた翌日。
仕事が終わってから、私はある場所を訪れていた。
何度か来たことはあるものの、あらためて私とは違う世界の人間なんだと思わされた。
豪華なエントランスでオートロックのインターフォンを押す。
すぐに出た相手は不審そうな声色で『はい』と答えた。
「美緒奈です」
相手が怯む空気が伝わってくる。
「お願い、切らないで」
先回りして言うと、小さく息を吐く音が聞こえた。
しばらく無言状態が続いたあと、オートロックが解除される音がした。
エレベーターで十二階まで一気に上がる。
目指す部屋は右手に折れた角部屋だ。
ドアにあるインターフォンを押すと、すぐに扉が開かれた。
「美緒奈、ごめん!」
私が口を開く隙もなく、謝罪の言葉を浴びせられる。
訪れたのは、亜樹の部屋だった。
彼女は直角に腰を折り、私に深く頭を下げた。