溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
彼の手が伸びてきても、それを避けることすらできないほど、身体が凍りついていた。
眼鏡を奪われ、視界が急に霞む。
「まさか、上川さんがナオミだなんて……」
京介さんはため息交じりに首を横に振りながら言った。
偽りのベールを外された瞬間だった。
なにも返せない。
言葉を忘れてしまうほどの威力を前に、私はどうすることもできずにいた。
「上川美緒奈。川上ナオミ。逆さから読ませていたとはね」
京介さんが運転席との間の間仕切りをノックする。
そして、「車を出してください」と運転手に告げた。
再び走り出す車。
眼鏡を奪われて硬直したまま、私は京介さんから視線を外せずにいた。
「……どこへ行くんですか?」
「俺のマンション。落ち着いて話がしたいんだ。そこでゆっくり話そう」
そう言ったきり、京介さんはまた黙り込んでしまった。
いったいどうして私がナオミだとわかったんだろう。
お母様から聞いたのか。