溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

◇◇◇

てっきり別々に乗るものだとばかり思っていたタクシーに、副社長とふたりで乗り込む。
運転手に私が住むおおまかな場所を告げると、車は走り出した。

この車が目的地に着けば、夢の時間もいよいよ終わりを告げる。
ふわふわとしていた心地は、終わりが見えてきた途端にかすかな痛みへと変わっていった。

それは、普段とは違う世界に足を踏み入れた高揚感を手離したくないからなのか、それとも憧れに過ぎなかった副社長が、私の現実世界に現れてしまったからなのか。
自分でもよくわからなかった。

タクシーの中で静かな時間を過ごし、見知った景色が見え始める。
私のアパートの近くだ。

ただ、そこで降ろしてもらうわけにはいかない。
ごく普通の三階建てのアパートに、あのパーティーに出席するほどの人が住んでいるはずはないのだから。

セレブに見合ったマンションを探して、窓の外に目を凝らす。
そのとき、わずか左前方にタワーマンションを捕えた。
最近建ったばかりのそれは、周りの建物の中でも抜きんでた高級感を醸し出しており、ライトアップの効果も手伝って、かなりゴージャスな印象を与える。

あれにしよう。
即決した。

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