溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「亜樹……」


思わず彼女にすがりつく。


「会いたいんでしょ?」


聞かれて頷く。
切なさに心が悲鳴を上げそうだった。
会いたくてたまらない。
ナオミとしてしか会えないとしても。


「素直でよろしい」


亜樹は笑顔を浮かべながら私の頭を撫でた。

私は誰かに背中を押してもらいたかったのかもしれない。
会うべきじゃないとブレーキを掛ける自分を後押ししてほしかっただけ。

鏡に映る、冴えない私を見た。
副社長が連絡を待っている相手は、私じゃなく“ナオミ”だ。

それでもいい。
もう一度だけ、ナオミとして副社長に会いたかった。

< 60 / 255 >

この作品をシェア

pagetop