溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「そろそろ女でいることに本腰を入れた方がいいよ。これは私からの忠告。そうじゃないと一生独り身で、死ぬ時に誰も看取ってくれないんだから」
亜樹は死ぬときのことまで考えているのか。
さすがにそれは、ちょっと先走りすぎじゃいかと思う。
まぁ確かに、自分が死ぬときに誰も寂しがらないのは、あまりにも辛いけれど。
「それに、綺麗に着飾った女性をひとりにしておくような男の人は、そういったパーティーには来ないから」
つまり、セレブは女性を立てるのがうまいということらしい。
そんな人たちに接したことすらない私には、まったく未知の世界だ。
「とにかく、美緒奈が行くことに決定ね」
亜樹は真剣な表情で人差し指をピンと立てた。
「え、ちょっと待って」
「もうダメ。決めたから」
「そんなー」
亜樹はこうなると誰にも止められない。
言い出したらきかないのだ。
不安な私を置き去りに、彼女は明るい笑顔へと表情を変えて私の肩をポーンと軽く叩いた。
そして、「お先に」と腰まである長い髪をなびかせ、ランチトレーを持って席を立ってしまった。