溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「亜樹ってば!」
そう呼び止めたところで、足を止める彼女ではなかった。
そうして迎えた、気が重いだけの週末。
船上パーティーに着ていくドレスを持って私のアパートに亜樹がやってきたのは、午前十時を少し過ぎた頃だった。
このあとすぐに法事が執り行われる会場へ向かうのか、全身黒づくめで。
「ちょっと美緒奈、このお菓子はなんなの?」
テーブルには、ついさっきまで私が食べていたチョコレートとスナック菓子の残骸が置き去りだった。
「それはちょっと小腹が空いて……」
「もう! こんなものがあったら、せっかく綺麗に着飾ったって汚しちゃうじゃないの。ほら、片づけて!」
その辺に丸めてあったコンビニのビニール袋を開き、亜樹がゴミを片づけていく。
私も横から手を伸ばして、一応は始末した。
そして早速、私の変身作業に取り掛かる。
「ちょっとなんなのよ、この眉毛は。ボサボサじゃないの」
「……ごめんなさい」