溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「美緒奈はその後どうなの? 副社長とは」


最後のワードのところだけ、口元に手を添えて小声で尋ねる。


「あれっきり会ってない」

「え? まさか美緒奈が振ったの? それとも振られたの?」


両極端な言い様になんと答えたらいいのか黙り込むと、「どうなの?」と亜樹は追求の手を緩めない。

亜樹には、会ったその日にキスされたことも、副社長に想いを告げられたことも言えていなかった。
私にはあまりにも衝撃的な展開すぎたからだ。
話してしまったら、泡となって消えてしまうんじゃないかという心許なさもあった。

たぶん、亜樹も私がそんな段階まで進んでいるとは思いもしないだろう。


「……どっちでもない」


ひとまずそう答えるのがやっとだ。


「あ、そっか。彼の方は忙しいもんね。そうそう頻繁にも会えないか」


亜樹は自分で答えを導き出した。


「でも連絡は取り合ってるんでしょ?」

「……うん、まぁ」


根掘り葉掘り聞かれて居心地が悪い。
しかもここは会社だ。
誰がどこで聞いているかもわからない。


「亜樹のお見合いの相手、いい人だといいね」


私から話を逸らそうと、亜樹の方へ話題をもっていった。
そしてそれは成功し、亜樹は「もしかしたら私、政治家の妻とかになっちゃうかも。あ、アラブの大富豪っていうのもありだな」とはしゃいだのだった。

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