珈琲はブラックで。


「そんなに私が嫌い?」


紗綾の声が震える。


グッと唇を噛み締め、泣かないようにする彼女が愛おしくて仕方ない。


「嫌いだよ。その甘さに俺が溺れてしまうから」


そう言うと俺は紗綾に口付けを落とした。


「っ」


まだ口の中に広がるこのココアの甘さを、紗綾も思い知れば良い。


そして、俺に溺れてしまえばいい。


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