珈琲はブラックで。
「ゆ、う…ッ」
「泣くなよ、馬鹿」
いつからだったろうか、紗綾が俺に泣き顔を見せなくなったのは。
いつからだったろうか、紗綾の事を大事すぎて触れることさえしなくなったのは。
けれど、紗綾は日に日に綺麗になっていく。
まるで俺の知らない紗綾になるんじゃないかって、焦っていた。
だからなのか、俺は紗綾のココアの甘さに溺れてしまうのが嫌だった。
……いや、もう、溺れていたのかもしれない。
「悠が……す、きッ」