珈琲はブラックで。


「ゆ、う…ッ」


「泣くなよ、馬鹿」


いつからだったろうか、紗綾が俺に泣き顔を見せなくなったのは。


いつからだったろうか、紗綾の事を大事すぎて触れることさえしなくなったのは。


けれど、紗綾は日に日に綺麗になっていく。


まるで俺の知らない紗綾になるんじゃないかって、焦っていた。


だからなのか、俺は紗綾のココアの甘さに溺れてしまうのが嫌だった。


……いや、もう、溺れていたのかもしれない。


「悠が……す、きッ」


< 17 / 21 >

この作品をシェア

pagetop