キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
街が賑わいを増すにつれ人の喋り声や車のエンジン音、店から流れてくる音楽も煩くなってくる中皐月の言葉は掻き消されることなくクリアに聞こえた。
人を想う、優しい声だからだろうか。
「……皐月は、優しいね」
「な、なんだよ急に。そんなことねぇし」
ふいっと目を逸らす皐月。分かりやすいな、照れてる照れてる。
「碧音君のこと、ちゃんと考えてあげててさ」
「仲間なんだから、当然だろ!」
「優しいよ」
「……っ」
「優しいよ、皐月は」
「っ、褒めたって何も出てこねぇからな」
言うやいなや急に早歩きになり、私を置いてさっさとCDショップに入っていってしまう。
「皐月、待ってってば!」
私も人の間を縫いながら自動ドアを開けCDショップへと入る。何なんだ。
どこに行ったとぐるり、店内を見回せば最新の週間ランキング!と銘打ちランキングごとにCDが並べられているところにいて。