キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「…………」
「っち。やっぱ何でもねぇ」
ふいっとバツが悪そうに目を逸らし舌打ちをして、ぽいっと私の手首を離した皐月。
「ぇえ?!それはないよ!」
溜めるだけ溜めて何でもねぇ、とか気になるじゃないか。最後まで言ってよ、私の歌がどうしたっていうのさ。
「言う気失せたんだよ」
「気になる!ねぇねぇー!気になる」
「ほら、次はお前が欲しがってたCD見んぞ」
教えてよとせがんだら『気が変わったら話してやらないでもなくもない』とはぐらかされてしまって。
きっとこれ以上しつこく問い詰めると本当に教えてくれなくなりそうだから、仕方なく止めておくけど。
「今日発売日なんだろ?それならあそこら辺にあるんじゃね」
皐月に着いていくと、確かにそこには今日発売のCDがずらりと並べられていて。まだマイナーなバンドだからCD取り扱っててくれるかなと心配しつつも見ていく。
「あったか?」
「うーんまだ」
ここの店なら規模もそこそこ大きいし品揃えもいいからあると思うんだけど……。見落としのないよう探していく――あ。
「あったあった!」