キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「ああ、あの苦し紛れの演技で何とか装ったやつな」
「メニューが割引になるからってさ、頑張ったんだよね」
「もうやらねぇけどな」
「それには賛成」
だって絶対どっかでボロが出るに決まってる。そして店員さんに白い目で見られることを想像したらとてもじゃないけどチャレンジする気は起きない。
「私、マロンホイップラテにしよ」
「俺はライチティーでいいや。すみませーん」
「はい!只今おうかがい致します」
店員さんにメニューを伝え、持ってきてもらうまで暫し待つ。少し混んでいるから、時間かかりそう。
「……なあ」
若干声を潜めて聞いてくるものだからどうしたのかと顔を携帯画面から上げる。
「さっきから周りのやつらに見られてんだけど」
言われ、私もさり気なく辺りに目を向ければチラチラと皐月に視線を寄越してる人達が。
「やっぱ俺浮いてるんじゃね?」
いや、恐らくこの店に男がいるから珍しがられてるとかではなく、皐月のその無駄にハイスペックな外見に熱視線を送っているんだと思う。