キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「まあ碧音君の色っぽさについては置いといて。……碧音君って、危ういところがあるから。自分が無理しててもそれに気づかないんだよね。皐月も、分かるでしょう?」
「昔からずっとやってきたことは簡単には直らねぇからな。自分で立たないと、頑張らないとって自己暗示みたいに身体に刷り込んできた」
「だから、誰かが大丈夫だよって言ってあげないと。立ち止まらせてあげないとなって思って。私が、そうしてあげたいんだ」
碧音君、本当は色んなことを頑張ってるし、こんな私にも優しくしてくれる。でも自分は頑張ってるって態度に出したりアピールしたりはしないから、きっと他人からすれば分かりにくいだろうな。
「もう。碧音君に対しての気持ち、再確認させないでよね」
皐月は聞き上手だからついつい喋ってしまったじゃないか。
「私と碧音君の関係が気になるなんて、もしや皐月私に惚れてるな?」
冗談でウィンクしてさらっと髪を手で払いイイ女を気取ってみた。
「そうだって、言ったら?」
「――……ん?」
パチパチ、瞬きを繰り返す。あれ?ここはいつもの皐月なら罵声を浴びせてくるところじゃ……。全く見当違いだった台詞に驚きを隠せない。