幾久しく、君を想って。
まさか、こんなすぐに会うとは思わず面喰らう。
松永さんは余裕の微笑みを返し、「こんばんは」と落ち着いた声で挨拶してきた。



「宮っちはここねー」


高本さんは私の様子なんて気にもしてないらしく、自分の左側を指差し、おいでよと手招きをする。


「あ…はい」


良く悪くも強引な人の顔を立てる為にそちらへ向かおうと足先を向けた。


「また後で」


空かさず声をかけられドキッとし直す。
その相手に無言で頷きながら、高本さんの隣に腰を下ろした。



「何飲む?」


「取り敢えず今夜はノンアルで」


「えー、ノンアルなのぉー?」


驚かれてしまった。
今夜は何だか酔ってはいけない様な気がして、最初からアルコール類は止めておこうと決めてきた。


「じゃあ梅酒だけでも飲もうよ」


ガラスのお猪口に入った食前酒を手渡され、まぁこれ位の量ならいいかと頂く。

前回同様、部長さんの音頭で乾杯をして、高本さんや周りの人達とお猪口を鳴らす。
その後、コースのように出される串揚げに手を付け、前には話せなかった人達とも談笑をした。


松永さんとは今回少し席が離れていた。
その所為もあってか、全く話もせずに時間を過ごした。

出される串揚げはどれも一口サイズで食べやすいけれど、思った以上に食べ応えがない。



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