幾久しく、君を想って。
「拓海が生まれて間もなく、主人の帰りが遅くなりだして。最初は残業だとか言ってたけど、それは嘘で外に愛人を作ってたんです」
私はそれを少しも疑わずに、彼の下着を自分の下着と一緒に洗濯をしていた。
今思い返してもそれが歯痒くて、胸の奥から怒りや悔しさが沸き上がりそうになる。
「拓海の面倒も見ずに、自分だけが快楽に浸っているとは知らず、私は毎日必死になって子育てをしていました」
主人が家に居てもいなくても、私には可愛い子供の笑顔がある。
この子の笑顔を守ってやるのが親の務め。
父親がいつかこの子に振り向く日まで、私が一生懸命父親の分も愛してやろうと思った。
「だけど、ある日…主人がお風呂に入っている間に電話があって。いつもなら出ないんですが、会社の人だといけないと思って出たんです」
そう言いながら本当は違うと分かっていた。
私も松永さんと同じで、あの人を何処か信じていなかったんだと思う。
「出たら女性で。主人の名前を甘い声で呼びました。それで私が『主人とはどんな関係ですか?』と聞いたら驚いて。直ぐに切るかと思ったら切りもしないで、『私は彼の愛人よ』と、平気な感じで言い切るんです。
それを聞いて心臓が張り裂けるかと思いました。驚きと動悸で、その場に倒れてしまいたかった…」
そういう時ばかり、気を張り詰めて倒れることも出来ずに立ち尽くした。
私はそれを少しも疑わずに、彼の下着を自分の下着と一緒に洗濯をしていた。
今思い返してもそれが歯痒くて、胸の奥から怒りや悔しさが沸き上がりそうになる。
「拓海の面倒も見ずに、自分だけが快楽に浸っているとは知らず、私は毎日必死になって子育てをしていました」
主人が家に居てもいなくても、私には可愛い子供の笑顔がある。
この子の笑顔を守ってやるのが親の務め。
父親がいつかこの子に振り向く日まで、私が一生懸命父親の分も愛してやろうと思った。
「だけど、ある日…主人がお風呂に入っている間に電話があって。いつもなら出ないんですが、会社の人だといけないと思って出たんです」
そう言いながら本当は違うと分かっていた。
私も松永さんと同じで、あの人を何処か信じていなかったんだと思う。
「出たら女性で。主人の名前を甘い声で呼びました。それで私が『主人とはどんな関係ですか?』と聞いたら驚いて。直ぐに切るかと思ったら切りもしないで、『私は彼の愛人よ』と、平気な感じで言い切るんです。
それを聞いて心臓が張り裂けるかと思いました。驚きと動悸で、その場に倒れてしまいたかった…」
そういう時ばかり、気を張り詰めて倒れることも出来ずに立ち尽くした。