幾久しく、君を想って。
本当に怖くなって体を抱いた。
松永さんは口を半開きにしたまま、私のことをじっと見ていた。

彼の方に向いていられそうになくなり、上半身の向きを変えようとしたら……



「…っ!」


後ろから回ってきた腕に抱き止められた。

ビクッとなった肩に、彼の額が乗った。


何も言わず、温かい呼吸を繰り返している。
冷えた車内では、息は直ぐに白くなっていく。


その生温かさを感じながら、現実を思い知った。
彼の体温で、自分の熱が上がっていっている……。




「……良かった…」


ぼそりと囁かれた息が耳にかかり、一瞬だけ温もった耳朶が、すぐに冷えて冷たくなった。


離れていく彼の気配を感じて振り返ると、優しい眼差しで見守られているのを知り、瞬きも呼吸もするのですら忘れた……。



「今の言葉……俺が好きだと捉えてもいいんですよね?」


ね?ともう一度優しく問われる。

その顔を見据えながら、敢えて縦にも横にも首を振れなかった。


頷くのも躊躇う私を抱きしめ、彼が頬に擦り寄る。
すっと軽く触れた唇の感触に、ビクッと肩が動いた。



「可愛い反応だ。本当に母親だとは思えない」


ギクッとする私の顎を掴み上げ、彼の唇が口先を覆った。
優しく触れたのは最初だけで、次第に音を立てて吸い付きだした。


「ま……松永さ…っ」


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