幾久しく、君を想って。
ものも言わせないように唇を塞ぐ。
獣のような雄々しさを感じ、初めての様な感覚に気が遠くなり始めた。

唇に吸い付くのを止めた彼が、舌先で耳朶をなぞり始める。
ぞくぞくとした寒気が足先から震え上がり、それが手の指先にまで広がっていった。



「だ……め……やっ…」



止めても言えず、彼の唇の行方を思った。

背中に回っていた指の先が動いて、胸元に触れた瞬間、大きく背筋が反り返った。


彼の指の腹が尖り始めた先端を摩る。
身体中の震えが抑えられなくなって、ぎゅっとしがみ付くように力を入れた。


十年近くも男性に触れられてこなかったのに、どうしてこんなに敏感に反応してしまうのだろうか。

松永さんのテクニックが上手いからなのか、自分が感じ過ぎる体質なのか。


何も考えられなくなってきて、軽い目眩と共に身体中の力が抜け落ちた。

もう万全の態勢で彼を受け入れていしまいそうな雰囲気の私から手を離し、松永さんは大きく息を吐いて運転席の背凭れに寄りすがった。



「はぁー……」


その様子に拍子抜けをして見れば、着ているセーターは裾が捲り上げられ、ブラジャーから溢れた片方の乳房が見えている。

慌ててセーターを引っ張り下げ、裾から手を入れて乳房をブラの中に押し込んだ。


その様子を彼が横目で眺めている。

その視線にもドキドキしながら、乱れていた髪を整え、耳朶に引っ掛けた。


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