イケメンエリート軍団の籠の中
舞衣は気丈に口元に笑みを浮かべ、凪の後ろ姿を見送った。
パソコンの時計を見ると、もう12時を回っている。
フロアを見渡してみても、凪の動く音しか聞こえなかった。
舞衣は急ぎ足で女子部屋に向かった。
とにかく早く一人になりたかった。張りつめた糸が切れてしまうところを誰にも見られたくない。
特に、あの伊東凪には……
舞衣は、ほぼドレッサールームのその部屋に飛び込んだ。
そして、アンティーク調の鏡台の前に腰かける。
鏡に映る私は………
確かにちょっとだけポッチャリしてて、鼻だってそんな高くない。
でも、目元には薄くアイライナーを引いてるから、いつもよりはパッチリした目になってるはずなのに…
“それは、可愛くないお前が考えることだろ”
可愛くないお前……
可愛くないなんて、初めて言われちゃった……
舞衣はもう一度誰もいないことを確認して、テーブルの上に顔を伏せて泣いた。
可愛くないって言われたのがショックなのか、言われた相手が伊東凪だってことが耐えられないのか、舞衣の中の張りつめた糸は簡単に切れ、そして、舞衣の心には大きな傷ができた。