イケメンエリート軍団の籠の中
「ジャジャジャジャーン」
いつの間にか姿を消していた謙人が、このビルの2階にあるカフェのロゴの入った茶色の紙袋を、舞衣の目の前に置いた。
「実は、さっき、カフェの前を通ったら4階の歯科衛生士の女の子にバッタリ会って、差し入れってこれをもらったんだ。
何が入ってるか分かんないけど、開けてみてごらん」
舞衣は恐縮してしまった。
「だって、これはその方から謙人さんがもらったものなのに…」
「いいんだよ、どうせ、謙人にとっては面倒くさい女なんだから」
そう言ったのは映司だった。
この究極のモテ男達の私生活は、舞衣には想像すらできない。
でも、明らかに、謙人の顔は少しだけウザそうだった。
舞衣がとりあえずその袋を開けてみると、その中にはサンドイッチとスコーンが入っていた。
「あ、俺、要らない、要らない。
舞衣ちゃんが食べて。
気兼ねしなくていいから、俺はもうちゃんと食事は済ませてるからさ」
「あ、ありがとうございます…」
舞衣は下を向いてそう言った。
下を向かなきゃ、皆の優しい目を見ると涙が出てきそうだったから。