光ることを忘れた太陽。

それでもあの日、許してしまったのは。


俺も謝ってしまったのは。


他でもない、咲希がいたから。



咲希がいなかったら俺達はわかり合おうともしなかった。


逃げてばかりで変わろうともしなかった。


でも咲希はまっすぐだから、偽ることが嫌いなんだ。




だから。


「ねぇ、本当に嫌いだったの?」


まっすぐに俺の目を見つめてそう言う咲希。


その瞳からは逃れられない。



いや、目をそらしたら離れていきそうで。


もう、大切なものを失いたくないんだ。



「本当は、認めてほしかっただけじゃないの?」


咲希はすごいよな。


なんでそんなに俺のことがわかるんだろう。



「尚は、お兄さんが羨ましかったんでしょ?」


……あぁ、そうかもしれない。


俺はずっと雅兄が妬ましくて、羨ましかった。
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