見えない僕と彼女の気持ち
会社は結局、退職した。
手続きは全部郵送で済ませた。

　
貯金を崩しながらの生活。
もうこのまま本当に消えてしまったらいいんじゃないかな、そんなことすら思ってしまう。

……そんな僕の生活が変わったのは、あの日から二月ほどたった頃だった。

　
暇な僕は日がな一日、ネットを彷徨っていた。

ある日、映画のレビューサイトで面白いレビューをしている子に出会った。

ほとんどの人間が口を揃えて面白かった、そう評価する映画で彼女（だと思う）だけが、痛烈に批判しているのだ。

その映画を観たことなかった僕は、早速ネット配信で観てみたのだけれど。

初めは、彼女の云っている意味がわからなかった。
けど、レビュー内容をあたまに置いて再度観てみると確かに、そういう一面もあるのだ。

面白い見方をする子だな、それが最初に持った印象。
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