見えない僕と彼女の気持ち
いつもは厳しい課長なのに、話を聞いたのか珍しく優しい声。

「ああ、課長。
今日は申し訳ありません。
その、……持病が再発しまして。
暫く休ませてください」

『持病?
おまえそんなもんがあったのか。
どれくらいかかる?
医者はなんと云ってる?』

「その、まだ病院には行ってなくて。
どれくらいになるかもわからない、っていうか」

『なんだ、それ』

「……すみません」

課長は怪訝そうだが、こればっかりはどうにもできない。
病院に行っても、僕の病気のことを知ってもらうのは難しい。
それに、この病気についての主治医すら、よくわかってないのだ。

一度会社に出てこれないか、課長にはそう云われたが、外に出るわけにはいかない。
結局、とりあえず一ヶ月、休業させてもらうことになった。

 
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