見えない僕と彼女の気持ち
課長との通話を終え電話を切ると、何件も着信していることに気が付いた。
全部が全部、……母から。
なにかあったのかと思いつつ折り返しかけてみる。

『もしもし、朋幸!?
あんた、もしかして、また消えてない!?』

「……消えてるけど。
なんで母さんが知ってるんだよ」

『テレビ見てないの!?テレビ!
あんたんちの近くで透明人間が出たって大騒ぎ!』

「……は?」

リモコンを手にテレビをつけてみる。
朝の情報番組にチャンネルを合わせると、ちょうどリポーターが興奮気味に、ものが独りでに宙に浮いて、とか、服だけが歩いていて、とか、どう見ても透明人間の仕業としか思えない、とか喋ってた。

……しまった。
昨日、やらかしてる。

『大丈夫、あんた?
母さんそっち、行こうか?』

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