空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~

4

「これからどうしよっか?」


銀果堂を出て、紗英が言った。


「もう暗くなってきたし、そろそろ帰る?」


「……俺はちょっと、用がある」


「え、涼くん、どこ行くの?」


「……学校に」


「学校?」


学校って、私たちの高校ってこと?


「でも学校って、今は休みだから入れないよね?」


「……」


「あ、なんか入り方、知ってるんだ?」


紗英の疑問に、涼くんは答えない。


だけどその表情は、それがその通りであることを肯定していた。


「おもしろそう! あたしたちも行く行く! ね、梨沙」


「あ、うん」


「……分かった」


うなずいた涼くんに続いて、私たちは歩き出した。



< 24 / 203 >

この作品をシェア

pagetop