存在価値
サッカー馬鹿
高校に入ってからは、
サッカーのマネージャーになった。

「なあ、名前なんてゆうん?」

て、いきなり声掛けて来た子、
それが、これから一緒に
マネージャーする真子やった。

「はるなやで!」

そしたら真子は、

「うちもサッカーのマネージャーすんねん。
一緒にがんばろな!」

不安やった気持ちも一気に吹き飛んだ。

その日は、家に帰って、
スマホいじってた。

はるなが行ってる高校の
グループがLimeにできてたから、
入ってる人がどんな人か、とか、
仲良く出来るかな?とかって
青春きた〜っ!って
うきうきしてた。

そしたらグループから追加してくれた人から
トークがきて、

『俺、スポーツ科のはると!
サッカーしてるねん!よろしく!』

『私ははるな!普通科やけど、
サッカーのマネージャーするねん!
よろしく〜!』

てかんじで、軽い挨拶。

その時にはもう、
パパには捨てられて、
ママの家に住んでた。

ママはほんまに大切にしてくれて、
貧乏やからって、一日中仕事してた。

次の日も学校やったから
その日はとりあえず寝ようとした。

でも、楽しみ過ぎて、
ニヤケながら目瞑ってたかも(笑)

学校いったら。

「うち、さきやで!
昨日Limeしてたやろ??
仲良くしてな〜!うちも友達おらんねん!」

「あ、さきちゃん
なかよくしよ〜!はるなも
友達おらへんで一人なるんちゃうかって
不安やってん(笑)」

夜にLimeしてた子が同じクラスやって、
仲良くしてくれそうな子が見つかって、
絶対学校楽しくなるって、
確実にそうなるって思えた!

話も盛り上がって、
スポーツ科のはるとくんの
話になって、さきちゃんと一緒に
はるとくんを探しに行った。

そしたら、教室で友達と喋ってて、
こっちに気付いたけど、
目を逸らされた。

『絶対気付いてるやんな?(笑)
てか、顔ねずみみたい(笑)』

『うちが呼んで来たるわ!
そんなんゆうたあかん(笑)
聞こえるで(笑)』

って、話してて、
さきちゃんが友達に頼んで、
はるとくんのこと呼んでくれたけど、、、

『え、あ、あれやんな。
はるとくんこの後サッカーやんな!』

『うん。そうやで。』

『はるなも今日から
マネージャーやねん!』

『そうなんや』

『よろしく!』

みたいな、薄い会話して、
さきちゃんと教室に戻る途中、

『あの人絶対話す気なくない?(笑)』

『案外クールとかちゃう?
それか、ただの人見知り(笑)』

とかって、初めましてやけど、
初めましてじゃないような、
そんな感じで2人並んで
歩きながら喋ってた。

「キーンコーンカーンコーン」

『あ、やばい!はるなちゃん!
遅れる(笑)走ろ(笑)』

バタバタバタッ

『セーフっ』

って、感じやったかな〜。
この頃は。
幸せだった。

あんな事さえなかったら。
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