この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
ふとした瞬間に、棗くんを思い出す。
朝、目が覚める時、真っ先に棗くんの姿を探したり、お弁当、夕食も1つ余計に作ってしまうことも……。
私の生活の中に、棗くんという存在は強く根付いていたから……。
それが、幸せなはずなのに、こんなにも悲しいっ。
「……お父さんは……逃げることしか出来なかったんだよ」
「お父さん……」
お父さんは私の隣に座って、そう言った。
私はお父さんの顔を見つめる。
「整理なんて、ずっとつかない。でも、お前にも俺にも、母さんの思い出が残ってただろう?」
「それは……」
「美羽が思い出させてくれたんだ。母さんは心の中にいて、一緒に生きていくんだってこと……」
お母さん……。
そう、お母さんは私の中にいて、悲しい時は、幸せな思い出がそれを癒してくれた。
「棗くんとの思い出も……そうなるのかな……っ」
「長い時間はがかかると思うけどな、でも棗くんは、お前に泣かれてると、おちおち天国に行けないんじゃないか?」
「それは……」
それは、そうかもしれない。
棗くんは、優しくて心配性なところがあるから。
でも私……まだ前を向けるような……そんな強くはなれないよ。
「急がなくていいから……ほら、少し気晴らしでもしてきたらどうだ?」
「でも、そんな気分じゃ……」
「そんな時こそ、外に出ないと駄目なんだよ」
お父さんはやけに強引に私を外へと出そうとする。
それを不思議に思いながらも、家にいても塞ぎ込むだけだと分かっているから、私は家を出ることにした。